春の雪

BSで放送されたのを見る。
「清様は子どもよ」というセリフそのまま全く持ってその通りな話で、いらんの?と何回聞いてもいらないと言っていたくせに、いざなくなりそうになると「欲しい〜」とだだをこねる幼子のような清顕と宮様との婚儀が決まった聡子の話。
原作は、客観的心理描写がかなりつらつらと描かれているので、映像にするのは大変だったのではと思っていたのですが、大道具小道具衣装がどれもこれも素晴らしく、見応えある映像になっていました。
原作にない見場のいい動きも加えられていて、映画「春の雪」ならではのおもしろさがありました。
ただ原作と変わっていて不満だったのが、清顕と聡子がはじめて交わすシーンで、帯の解き方が分からない清顕に、プライドを傷つけず分からない程度に誘導して帯を解かせるという聡子の描写が原作にはあるんですが、映画では帯が解けなくて戸惑う清顕に、後ろを向いてさっさと着物を脱ぐ聡子という図に変わっておりました〜。
ちが〜う、エロチズムが全然ちが〜う。上級ネコの巧の技*1を披露するせっかくの場面なのに・・・。映像でも見たかった。
近衛騎兵大尉治典王殿下を及川さんが演じられておりまして、その軍服姿が、先日読んだ「軍服の劣情に堕ちて」という本の1人から抜け出てきたかのようないでたちだったので、楽しかったです。

春の雪 [DVD]

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軍服の劣情に堕ちて (アルルノベルス)

軍服の劣情に堕ちて (アルルノベルス)

*1:ネコから仕掛けておいて、あたかもタチが自発的に劣情して行動に及んだかと思い込ませる技。それがネコの腕だと20代前半の時友人になったネコの方にお話を伺ったことがありまして、大人ってすごい・・・と思ったものです。